これまでいくつかのレーシングシミュレーター(レーシングsim)に関わってきましたが、昨今、選択可能なパーツも広がり、さまざまな目的別に最適なものを作成できるようになってきました。そこで今回は、いくつか目標を設定をして、それぞれに応じた最適なものを検討してみたいと思います。
最近では、一般向けに利用できるレーシングコクピットも様々なタイプが手に入るようになり、使用するエレクトロニクス機器も、十分なパワーを持つホイールベースから剛性の高いペダル等のパーツまで、特に本格的なものに多くの選択肢が揃ってきました。また、ここ数年の新しい機器の傾向を見てみると、本格的でありながら価格も抑えめな機器も数を増しており、グローバルワイドで市場が広がってきていることがわかります。
レーシングsimのセットアップは、構築の手法も構成もピンキリです。コンシューマー向けから商用セットアップまで視野に入れると、その実装方法は本当に様々で、価格も驚くほど違いがあります。ちなみに、上を見れば、価格は青天井です。
〜 目標設定 〜
今回の検討は、タイトル「目的別レーシングシミュレーターの検討」として進めていきますので、ターゲットとなる”目的別”を、まずは2つ設定してみたいと思います。
ー 目的別1:個人ユーザーや企業のスペースに気楽に置けるセットアップ
ー 目的別2:免許を返納した方がバーチャルドライブを楽しめるセットアップ
検討においては、楽しさやリアルさ、そして価格のバランスを考えた答えに近づくこと、また、あわせて安全であることも重要なポイントとしていきたいと思います。
[目的別1:個人ユーザーや企業のスペースに気楽に置けるセットアップ]
目標を次のように設定します。
- 手に届く価格(20万〜30万程度で良い感じのコクピットができること。企業の資産管理も考えて)
- エレクトロニクス機器も含め、すべてを国内で調達できること
- 楽しさとリアルさのバランスが良いこと(車を運転しているというリアルさ)
- 省スペース
- Formulaガチガチではなくファンドライブ含めてそつなくこなす
- レースへの参加も十分対応可能
- 個人ユーザーや企業のスペースに気楽に置けるセットアップであること
[目的別2:免許を返納した方がバーチャルドライブを楽しめるセットアップ]
目標を次のように設定します。
- 導入しやすい価格(20万程度、もしくは、40万程度の2パターン)
- エレクトロニクス機器も含め、すべてを国内で調達できること
- 楽しさとリアルさのバランスが良いこと(街並みドライブのリアルさ)
- 省スペース
- ファンドライブを中心に設定
- 免許を返納した方がバーチャルドライブを楽しめるセットアップであること
〜 評価測定 〜
これから進める構築においては、「目的別1:個人ユーザーや企業のスペースに気楽に置けるセットアップ」を想定して機器を選定、セットアップとチューニングの後、設定した目標の達成度についての評価を行いたいと思います。その後、「目的別2:免許を返納した方がバーチャルドライブを楽しめるセットアップ」については、機器の調整などを実施し検証を進めます。
今回の評価は、設定した目標に照らし合わせて、数名の方に実際に体験してもらいスコアを付けてもらうことにします。評価のポイントは次のとおりです。
- 実際に実車のレースに参加している人などに体験してもらい評価をしてもらう
- レーシングsimは初めての人にも体験してもらい評価をしてもらう
- パーツ構成と予算の例を明確にする
それでは、目的別レーシングシミュレーターの検討はじまりです。
目次
- 目的別レーシングシミュレーターの検討(はじまり)
- 目的別レーシングシミュレーターの検討(パーツ選び)
- 目的別レーシングシミュレーターの検討(セットアップ)
- 目的別レーシングシミュレーターの検討(チューニング)
- 目的別レーシングシミュレーターの検討(評価と考察)